「BPOだけでは変わらない」──真の業務改善はBPRとの“セット設計”から始まる

はじめに:「業務の外注」だけで満足していませんか?
多くの企業が「人手不足」や「生産性向上」を理由にBPOを導入しています。
しかし、BPOは魔法の杖ではありません。
現場の課題を整理しないまま、
既存の“ムダな業務”をそのまま外部に投げてしまえば、
外注コストだけが膨らんで終わるというケースも少なくありません。
BPRとは何か──BPOの前に考えるべきこと
BPR(Business Process Reengineering)は、
業務そのものをゼロベースで見直す手法です。
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「そもそもこの業務、必要?」
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「もっとシンプルにできない?」
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「人じゃなくてツールで自動化できない?」
…こういった問いを徹底的に掘り下げてから、
必要最小限の“価値ある業務”だけをBPOに委託する。
これが、真の効率化の第一歩です。
BPR × BPOのセット設計で起こる3つの変化
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外注コストの最適化
→ ムダな業務を削除することで、委託する範囲そのものがスリム化。 -
属人性の排除と再現性UP
→ 業務フローが整備され、誰でも回せる設計に。 -
委託後のKPI可視化が可能に
→ 改善すべき数字が明確になり、運用PDCAが回る。
実例:バックオフィスBPO×BPRの成功事例
ある企業では、請求書発行~経費精算までを丸ごとBPOしていたが、
以下のような課題があった。
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エクセル+紙ベースで月末に業務が集中
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ミスが多く、修正依頼で二度手間
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社員と外注先で責任範囲があいまい
▼BPRフェーズで実施した内容:
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業務フローを業務ごとに分解・可視化
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業務を「自動化できる」「社内でやる」「BPOする」に分類
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自社には判断業務、BPOには定型業務を割り当て
結果、BPO工数は35%削減、処理スピードは1.8倍、ミスは7割減となりました。
終わりに:「外注」ではなく「変革のパートナー」へ
BPOを「安くやってくれる便利屋」と考えている限り、
本質的な生産性は上がりません。
私たちは、業務の構造を見直す“戦略BPO”の時代に入ったと考えています。
だからこそ、外注の前に問いたい。
「その業務、本当にやる必要ありますか?」